事前作業 (2013年8月5・6・7日)
本堂屋根面の工事について、6月30日に山形技建と契約をしました。工事期間が8月19日〜12月末となり、先だって仏具の搬出と足場の設置がされました。足場かけの作業は非常に早く一日でほとんど終了しました。
資材搬入(8月21日)
資材の搬入風景です。本当に大きな重機です。
野地板・木羽(8月21日)
野地板と木羽の状態です。特に南面の木羽は痛みが酷くボロボロでした。また、野地板の間隔が広いため部分的に痛んだ木羽に釘が打ちつけられており、まったく固定されていない状況でした。
垂木の補強
垂木は当初、痛んだ箇所を交換し間隔を詰めることを予定していましたが、全体的に状態が良かったため、今までの垂木の間に一本追加することとし、より頑強な屋根面となりました。
野地板
野地板は、間隔を狭くした垂木の上(屋根面全体)に隙間なく引きつめられ、しっかりと釘で固定しました。最終的には、野地板の上に防水シートを二重に貼り、その上に銅板を葺いていくことになります。
向拝(本堂正面の階段上)の修復
上の写真は本堂再建時、下は今回の修復の写真です。この部分が今回一番大変でした。今までの向拝の形状は垂木で支えているのでなく、曲げた野地板の上に木羽を敷き詰めて曲線を出していました。今回は下地をしっかり作り、細い棒状の野地板でしっかり敷き詰めました。非常に頑丈になりました。また、曲線もほぼ元通りになるとのことです。
屋根葺き
少しづつ屋根の葺き上げが始まりました。鼻隠しはこれまで銅板葺きはされていませんでしたが、雨のかぶりやすい場所ですので、これ以上の腐食を防ぐため銅板で包み込むことになりました。当初は銅板3段葺きを予定していましたが、棟梁さんが素晴らしい造りの寺院ということで5段葺きにしてくださいました。銅板5段葺きは均等に葺くのが非常に難しいのですが、素晴らしい出来です。
向拝の銅板葺
大変苦労した向拝の曲線ですが、銅板の葺き上げが始まりました。
本堂基礎
基礎部の状態は非常によく、新しい時代の木造建築とういうこともあり、基礎の木部に斜め材が用いられており、地震による捻じれにも強いとのこと。今回は、腐った土を書き出し、外構のコンクリートの改修と新たに側溝が取り付けられます。
鬼飾り
傷みが酷かったため、鬼飾りは新調となりました。高さが3メートル弱と非常に大きなものです。新調ににあたっては、これまでの雰囲気を残しつつ、厚い銅板(コンマ6ミリ)を用いて出来るだけ切り込みを少なくして打ち出しで成形し、強度を高めたとのこと。
本堂正面建具
2013年12月の護持会総会臨時会において承認された本堂正面建具が完成しました。新しい銅板の屋根ととても良い相性です。
外構工事
本堂外周の土止めのコンクリートを鉄筋入りものに改修しました。また、同時に雨水排水用の側溝を新設し、本堂の基礎の安定化を図りました。
外構2
本堂外周の排水と同時に周囲の雨水への対応として、暗渠管を敷設しました。
正面全景
仏具搬入 (2014年6月4〜6日)
6月7日の本堂竣工式を控えなんとか仏具の搬入と、備え付けを終えることが出来ました。前にもまして厳かな本堂となりました。
余間
両余間の襖(橘小夢 作)と欄間が納まりました。欄間は松の一本彫りで非常に良い金箔を使っており、金箔欠損部の補修以外は洗浄のみとのことでした。
余間2
左余間には、七高僧と聖徳太子、右余間には西法寺歴代の法名軸が掛けられています。
親鸞聖人御影
この写真は、宗祖親鸞聖人の御影を安置する御厨子になります。御影は東本願寺第十六代法主の一如上人(1649年〜1700年)の裏書がありました。
蓮如上人御影
内陣向かって左側に、本願寺中興の祖と言われる蓮如上人の御影を安置しております。
参詣席の照明
参詣席の照明を更新しました。本堂内が非常に明るくなりました。
本堂外周のガラスサッシ
本堂外周のガラスサッシを調整し、内側にはインナーサッシを設置しました。外観を変えることなく、二重サッシにすることで冬の冷え込みの緩和が期待されます。
2014年8月9日で今回の修復予定箇所の工事は一応完了となりました。ご協力に感謝申し上げます。